山宮浅間神社
静岡県富士宮市に鎮座する山宮浅間神社(やまみやせんげんじんじゃ)は、富士山本宮浅間大社が現在地へ遷座する以前の元宮とされる富士山信仰の草創期を示す最古級の祭祀遺跡です。国の指定史跡で、ユネスコ世界文化遺産「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産にも含まれています。
最大の特色は、本殿を設けず、小高い場所に位置する遙拝所から富士山頂を直接拝する点にあります。富士山そのものを御神体とし、自然崇拝の原形を今に伝える極めて希少な形式です。杉木立に包まれた静寂の参道を進むと、遺跡の中心部に四角の玉垣で区画された神聖空間が現れ、祭祀の息吹を感じさせます(現在は樹木が繁り富士山は見えにくいものの、遺跡配置は山頂と正中線上にあります)。
本殿はなく、富士山の威容そのものに祈りを捧げる——山宮浅間神社は、富士山信仰の原点を体感できる特別な聖域と言えるでしょう。